韓 鶴子
<Today's WORLD JAPAN 2014年天暦2月号P.7~10>
天一国二年天暦一月十一日(二〇一四年陽暦二月十日)、韓国・ソウル市内のホテルで、世界平和統一家庭連合、天宙平和連合などの共催で、約五十か国から各界の有識者約三百五十人が集い、「平和と人間開発の新しいパラダイムに向かって」をテーマに国際指導者会議の開会式が行われました。以下の内容は、文薫淑・ユニバーサル文化財団理事長により代読された真のお母様の「創設者基調講演」(英語)を翻訳し、整理したものです。なお、タイトルは編集部で付けました。
貴賓の皆様、宗教指導者、女性指導者、メディアのかたがた、平和大使、世界各国を代表してお越しの皆様、紳士淑女の皆様、二月十二日(天暦一月十三日)の基元節(一周年)を記念して開催されるこのとても重要な国際指導者会議にご参加くださり、誠にありがとうございます。
「基元」(基礎)がいかに大切なものであるか、私たちはよく知っています。建築家やエンジニアをはじめとして、科学者、哲学者、少なくとも物事を組織立って考える人々は、このことをよく理解しています。同様に人間関係の基礎もまた大変重要なものです。脆弱で不安定な基礎の上に建てられたものは、後に大きな問題が生じるでしょう。この法則は全てに当てはまります。
私の愛する夫である文鮮明師は、恒久的な世界平和の確固たる基礎を築くために、九十二年の生涯をささげました。この目標に向かってたゆまず働き、あらゆる反対と迫害に耐え、乗り越えてきました。何ものも夫を阻むことはできませんでした。夫が自分の使命を全うしたこと、そして夫の確立したその基盤の上に私たちが築いていくことができるということを、日々、私たちの天の父母なる神様に感謝しています。
夫は、世界平和の究極の礎は天の父母なる神様であることを理解していました。天の父母なる神様のみ旨と一つになることが平和の基礎です。いかなる障壁があったとしても、天の父母なる神様にその基礎を求める者は、世界平和への道を切り開いていくことができるのです。
真の父である私の夫は二〇一二年に霊界に行きましたが、夫の温かな臨在と愛の導きを感じない日はありません。いかに夫が霊界にいて私がこの地上にいたとしても、真の父母の立場は決して変わりません。
五十年以上、夫が人類の苦悩ばかりでなく、神様ご自身の苦難の路程を痛烈に感じながら、あらゆる瞬間を歩むその傍らで私は過ごしてきました。夫の願いは、天の父母様(神様)の苦悩の心情と人類の苦悩の心情を解放すること、ただそれだけでした。それが夫の使命でした。これこそ真の父母の使命です。
今日の世界を見るとき、私もまた苦痛を感じます。神様が人々の無知と利己主義、罪深さを見て感じておられるに違いない苦痛と同じものです。特に天の父母様にとって結婚と家庭生活の堕落を見ることが、何よりも苦痛です。なぜなら家庭は、神様の本然の理想の神聖な礎石として創造されたものだからです。
天の父母なる神様がこの世界を創造されるとき、一つの明確な理想を胸に描いておられました。その理想の核心は忠孝に基づく親子の関係でした。聖書にあるアダム、エバの堕落の話を見るとき、堕落の根本的原因はアダム、エバ、そして天使長が、天の父母なる神様に対して絶対信仰、絶対愛、絶対服従の基準を守ることができなかったことにあることが分かります。
彼らの不信仰が最初の結婚、最初の家庭における真の愛の理想を台なしにしてしまいました。この現実が彼らの男、女としての関係、子供との関係に影響を与え、現在に至るまで人類をむしばむアベル、カインの分裂という歴史的パターンを生む結果となりました。
ご承知のように、最初の殺人は最初の家庭で起こりました。兄のカインが、神様の側に立つ弟アベルを殺害したのです。それゆえ、私の夫は首尾一貫して信仰生活の中で忠孝と真の愛を絶対的中心として教えてきました。そうすることによってのみ、堕落の影響から脱することができるのです。
私たちの世界的運動の唯一の目標は、平和な国を築くことです。私たちはその国を天一国と呼んでいます。(漢字では)「二人が一つになる国」と読むことができます。天一国は、全ての憤りや対立が癒やされ克服され、調和、協調、平和がもたらされる国です。私たちがこのたび祝賀する基元節は、正に神の国なる天一国の基元の日のお祝いなのです。
二〇一三年の基元節の後、私は世界中に天一国理想を広めるためのビジョン二〇二〇を明らかにしました。この国際指導者会議を支援し協賛している団体は、天宙平和連合、世界平和統一家庭連合、世界平和女性連合、世界日報、ワシントン・タイムズ財団です。これらの団体はどれも神様の摂理において重要な役割を果たしています。
真の父なる私の愛する夫は平和を深遠な精神的概念として理解していました。話をするときはいつも、愛の中で人類が家族として立ち上がり、国籍、人種、宗教の障壁を克服していく感動的なビジョンを示してくれました。
平和とは霊肉の調和した状態を表すものであり、個人、家庭、社会、国家、世界の理想の状態であると教えてくれました。平和という言葉を口にするときはいつも、神様の心情と神様の摂理を何よりも第一に考えていました。
真の平和は、私たちの天の父母様に対する忠孝の思いと実践から始まります。この基本的徳目は結婚前の純潔と結婚後の貞節と結びつかなければなりません。男性と女性は対等で永遠のパートナーとして暮らすようになっています。家庭は神様によって「愛と平和の学校」としてつくられたものです。
このため、夫と私は真の父母として、祝福の名で知られる結婚式を世界中で挙行してまいりました。祝福は神様の真の愛と真の家庭についての本然の理想を確約するものです。
歴史を通して、天の父母様は人類を宗教によって導いてこられました。歴史は今、恒久的平和のために宗教間の調和と協調を求めています。全ての宗教の信仰者は、天の父母様のみ旨を果たすため、愛と尊敬で互いに協力しなければなりません。神様のみ前に立つとき、私たちは地位や宗派の名で評価されるのではありません。心情の内容、神様の摂理に尽くした精誠で評価されるのです。
皆様はそれぞれ、お国で大きな責任と大きな影響力をお持ちです。どうかこの数日で学ぶことを真剣に受け止めてくださり、皆様の国と国民のために持ち帰ってください。
そこで、私がお勧めする四つの事柄を確認して、ぜひ実行してくださいますようお願いします。
まずファーザー・ムーンの教えを学んで、生命、愛、全ての真理の根源であられる天の父母様の心情を知ってください。
夫、妻として堅固で安定した愛ある結婚生活を、最善を尽くして築いてください。そしてその基盤の上で、皆さんの子女を愛し教育してください。
皆さんは、政府閣僚、宗教指導者、教育者、メディア関係者、芸術家などいかなる立場にあっても、それぞれ生活するうえで他のために生きるという原則を適用するよう努力してください。
この地上での生活は一時的なものであるということを知ってください。地上生活を終えれば私たちは霊界に行きます。そこでは富や権力で判断されることはありません。ただ真の愛の量と、地上での生活においてどれだけ神様と人類のために尽くしたかによって測られるのです。
世界中どこでも私たちの代表者たちは、皆さんの国で平和理想と人間の成長を進めるために支援し協力する用意ができています。共に理想家庭、理想国家を築いていきましょう。そして民族、国家、宗教が、また家庭が共に一つになって天一国、神様のもとの一家族を築きましょう。
ありがとうございます。神様の祝福が皆様と皆様の家庭、皆様の国にありますように。