
金 明健
<2011 秋季 牧会者説教集 P.131~134>
訓読:『天国を開く門 真の家庭』81ページ
「私たちは、この世に住んでいますが、この世の中だけがあるのではなく霊界があります。それでは、私たちが行くべき所、私たちが行って住むべき所はどこでしょうか。霊界です。霊界とは、愛の空気が充満した永遠の世界です。ですから、皆さんの一生は永遠の世界に入るための準備期間なのです」
宗教の使命は神様と霊界を正しく教えることであると天地人真の父母様は語られました。
本来、人間は神様や霊界が自然に分かるようになっていましたが、人類始祖の堕落の結果によって、人類はこれらの内容に対して無知に陥ってしまいました。それで、神様と霊界があるかないか、今も人々は論争しています。
人は、神様と霊界があると信じる人と信じない人、そして分からないと言う人もいます。矛盾することですが、霊界を信じない人が死んだ人に対して、「苦痛のない天国に行って、幸せになりますように」と祈る場合があります。または、死んだ人に「自分の家族を見守ってください」と祈る場合もあります。このような祈りは霊界があることを前提としなければ言えないことでしょう。神様と霊界に対して無知であることから生じた矛盾だと思います。 この世を観察することによって、見えない霊界を推測し、神様の存在を感じることができると思います。
この世は三数で成り立っているものが多いです。物質は固体、液体、気体の三態で現れています。自然界は動物、植物、鉱物の三界から成っています。色には三原色といって赤、青、黄の三色で全ての色を表すことができますし、光にも赤、青、緑の光の三原色があります。音はド・ミ・ソ、ファ・ラ・ド、ソ・シ・レの主要三和音があります。
心の機能には知情意があって、三機能です。また、心は真美善の三つの価値を追求します。勝負も、じゃん、けん、ぽんの三数で決まります。カメラの三脚のように、物が立つためには最低、足が3本必要です。
人生はどうでしょうか。一段階目のお母さんの胎中生活を終えると、生まれて、二段階目の地上生活があります。二段階目の地上生活で終わりでしょうか。三段階目の霊界に行くことで、三数完成の人生であると見ることができるのです。
目に見える風景を見て、自然界を海・陸地・空の三つに分けますが、海は母の胎中生活を象徴し、陸地は地上生活を象徴し、空は永遠の霊界を象徴すると解釈することができます。
森羅万象が偶然に三数で成り立っているのでしょうか。創造主、神様が三数的存在であり、創造原理によって、そのように創造されたのです。
人は誰でも必ず死にます。死んで行く世界がすなわち霊界です。三段階を通して完成する霊界があって、必ず、霊界に行かなければならないのであれば、霊界がどのような世界であるかを知って、そこに行くための準備が必要です。人が旅行に行くときは、荷物の準備をしてから出発します。寒い地域に行くときは温かい服を準備し、暑い地域に行くなら涼しい服を準備するはずです。準備をせずに行けば、困って苦労するでしょう。
旅行は行きたくなければ、行かなくてもいいですが、人は願わなくても、死を迎え、霊界に行かなければなりません。ですから、霊界で永遠に暮らすための準備を、この地上でしなければなりません。
準備ができずに霊界に行って苦しんでいる死者のために、地上の人が供養祭や慰霊祭をして慰労するのです。
しかし、慰労は一時的効果があるだけです。だから、一度しかない地上の人生がとても重要です。将来の霊界での生活を準備することで、今の生活、人生の目的が明確になります。
では、地上で何を準備すればよいでしょうか。それは、真の愛の実績です。真の愛の三つの実績です。
一番目は、人生を通して神様をどのくらい愛したかです。二番目は、人をどのくらい愛したかです。三番目は、万物をどのくらい愛したかです。
神様を愛する生活をしなければなりません。人間は動物と違って、両手を合わせてお祈りを捧げるように、霊性を持っています。神様が願われる善の生活をしなければなりません。堕落によって一番大事な神様の存在が分からなくなり、神様を愛する生活ができなくなったのです。
また、人を愛さなければなりません。人の愛を完成する場所が家庭です。父母の愛、夫婦の愛、子女の愛、兄弟姉妹の愛を、家庭で完成しなければなりません。家庭を拡大して、世界の人類を家族のように愛さなければなりません。
そして、万物を愛さなければなりません。節約と自然保護です。物を大事にしなければなりません。
天国は愛の空気で成っているそうです。地上で愛の実績をたくさんつくった人が霊界に行って、愛の空気の中で幸せに暮らせるのです。霊界を知らないため、人は目に見えるもの、特にお金を目的として生きやすいです。お金のために人をだましたり、人を殺したり、自然を破壊したり、公害問題を起こしたりします。そのようにすれば結局、神様を悲しませることになります。
地上で愛を持って、善なる正しい人生を生きなければなりません。神様と霊界を正しく教えてあげて人類を救ってくださるのが、救世主、メシヤ、弥勒仏として来られた真の父母様です。
この世には数多くの宗教と霊能者もいますけど、宗教と霊能者が人を救うのではありません。唯一、救世主・メシヤ・弥勒仏であられる真の父母様のみが人類を救うことができます。真の父母様は一生涯を通して7回も死の峠を越えながら、神様を愛する道、人を愛する道、万物を愛する道を開拓してこられました。私たちは父母様が命懸けの代価を払ってくださったおかげで、その道を楽に歩めるという恵沢を受けています。
90歳を超えられた今も、寝食を忘れた生活をされながら、人類救援の道を歩んでいらっしゃいます。父母の心情を持って僕の体で、血は天のために、涙は人類のために、汗は地のために流され、苦労と苦難の歩みをしていらっしゃいます。
私たちは地上生活を通して天地人真の父母様に侍り、真の愛を相続して完成する人生を生きましょう。