2014年07月04日

天一国時代の生活

愛媛・新居浜・河教会長.jpg統一教会
 河 弦杓
<2011 秋季 牧会者説教集 P.121~125>

 私たちが人生を生きていくなかで一番重要なものは何でしょうか?人生で一番大切なものは何でしょうか?

 人間において一番重要なことは「幸福」です。

 食事をするのも幸せのためであり、勉強するのも幸せのためであり、結婚も幸せのためであり……。ある意味、全ての人々の欲望を一つにまとめてしまえば、「幸福になりたい」と表現できます。

 真の父母様のみ言によれば、人類歴史の中で人間が幸福を追い求める過程は、三つの段階を通過してきたと言われています。

 一番目は「物情時代」と呼ばれるものです。日本の歴史においても今から200年前、坂本龍馬が登場する少し前の時代、その当時は食べるものが不足している時でした。おなかいっぱい食べられていたでしょうか? 食べるために戦いくさもするし、けんかもするし、もっと食べようと……そのために戦いがありました。日本史でもそうですし、世界史でもそうですが、食べるものが関係しながら発展してきたと見ることができます。食べるためなど、物を得るために苦労してきた時代を父母様は「物情時代」と言われます。そのような時代は人間が万物を追い求め、幸福を得ようとする時代でした。
 そして、二番目は「人情時代」です。食べ物が満たされてきたので、次は人間らしく生きていこうとなりました。政治もそうですし、勉強もそうです。食べられなくてきょうを戦っていく、そのような人は、今はほとんどいないと思います。万物がなくて、それを得るために争う時代から、より人間らしい生活を追求して幸福を追い求める時代に変わってきました。公害を例に取ってみても、工場からのひどい臭いがあっても、以前は仕事がなくなっては困るからと我慢していたと思いますが、今は違います。工場をなくしてもいいという考えに変わってきました。それは、もっと人間らしく生きていきたいという思いから来ているといえるのではないでしょうか?

 3つ目は「心情時代」、「天情時代」です。心情というのは人を愛したい情的衝動のことを言います。

 年配の方々もいらっしゃいますが、幼い頃は食べる物が不足して苦労されたことと思います。それが現代になり、生活がある程度安定し始めると、人間らしく生きることを願い、次は自分の満足だけではなく、相手も幸福でないと満足しない時代になってきました。今回の東日本大震災においても、全世界から人が送られ、物資が送られ、助けてくれています。他の国の災害でも同じ現象が起きています。今という時は、たとえ自分が少し不便になったとしても、相手を助ける、協助する、そういう時代になってきました。

 では、そのような心情の時代に、私たちはどのように生きていけばよいのでしょうか? 心情は出会いによって育まれるので、出会いが良くなければなりません。

 出会いには大きく三つの出会いがあります。

 一つ目は親との出会いです。私たちが生まれる時、素晴らしい両親のもとに生まれてきたとするならば、食べる心配をすることもないでしょう。ですから幸福になるためには父母に恵まれないといけないということです。逆に考えると、父母に恵まれなければ苦労も多いかもしれません。

 二つ目は先生・師匠との出会いです。先生に恵まれれば、人生の方向が示され、道が見えるようになります。非常に素晴らしい方に指導を受けたとするなら、どうでしょうか? 私たちの考え自体が変わり、人生も変わってくると思います。ですから、素晴らしい先生に出会うというのはとても重要なことです。

 私たちは父母様からよく学びます。私たちが考えもしないような思想や、理論、教育を教えてくださいます。食口の中には、アフリカなどに宣教活動に行く方がいますが、その方たちもアフリカに行って何か善なる活動をしようと、家庭が犠牲になったとしても、何か与えていきたいと、そのような考えをもともと持って生まれてきた方はいなかったと思います。アフリカに行ったり、あまり知られていない国にも行き、そのようにしながら世界に対する理想を持って頑張っている方々は、真の父母様に出会ったから、そうなったのです。先生に恵まれたので、心情や考え方が変わったのです。

 三つ目は良い相対に出会うことです。男性であれば妻に、女性であれば夫に恵まれなければなりません。「女性の運命は手のひらだ」と言われることがあります。どちらに裏返すかによって運命が変わるというのです。女性がよく尽くせば、男性たちは仕事を頑張ります。いつも妻が家のこともせずに遊び呆ほうけていると、男性たちは仕事ができなくなります。ですから、男性の運命は女性が決定し、女性の運命は男性が決定するといいます。それほど、良い相対との出会いは重要なのです。

 このように、父母に恵まれ、先生に恵まれ、夫や妻に恵まれれば、自然と子女にも恵まれます。その子女はどんな子になるでしょうか?父母に恵まれ、また父母が先生ですから先生にも恵まれ、またその父母が良い相対を見つけて結婚させるので、良い夫・妻に恵まれます。それが統一教会の祝福です。

 祝福とは、神様と真の父母様に侍り慕うことです。神様に侍り、理想を持っている人たちが集まって教会をつくり、社会をつくり、国を形成していくことができます。そういう国ができた場合、私たちはそれを「天一国」と呼び、そこで生活する兄弟姉妹を食口と呼びます。

 私たちが父母様に出会い、真の先生、真の主人に出会い、考え方が変わり、新しい価値観と生き方で進んでいくならば、その人は新しく生まれ変わったといえます。

 聖酒を飲んで祝福を受ければ、出会いが変わり、運命も変わります。夫婦が新しく生まれ変われば、私が決めた夫・妻ではなく、神様、真の父母様が決めてくださった夫・妻になります。毎日毎日、お互いを尊敬し合いながら生きていけます。しかし、お互いまだまだ不足している部分が多いので勉強が必要ではあります。

 このような父母様との出会いにより、神の愛を、感じて、知って、実践すれば、どれほど素晴らしい人生でしょうか? 創造本然の世界は感じる世界です。神様を感じると、神様が父母であることが分かります。父母の心情を感じ、悟り、おのずから実践します。

 人間が堕落したということはどういうことでしょうか? それを知的な面から見ると、無知に陥ったということです。ですから、宗教は実践しなさいというのです。分からなくても、感じなくても、実践しなさいというのです。実践すれば感じ、感じれば悟るだろうと。今、神様が望まれているのは何でしょうか? 父母様が望まれていることは何でしょうか? み言では「ために生きなさい」と言われます。ために生きるためには、自分が中心になってはいけません。神様を中心に相手を喜ばせ、楽しませなければなりません。それは皆さんご存じですね。でも、なかなか難しいことです。それで、私たちが感じることができるようにと、父母様はみ言を下さいました。

 堕落して無知に陥った人間が、創造本然の世界を知るために与えてくださったのが八大教材教本、すなわち天福函です。

 この時代、私たちは最高の方に出会い、祝福を受け、最高の人生を送っていくために、家庭に天福函を安着させ、み言を学び、実践していかなければなりません。そして、神様、父母様が望まれる善なる世界、天一国をつくっていくために精誠を尽くしてまいりましょう。
posted by ffwpu at 18:19| 統一教会牧会者説教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする